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ガス談話室

高圧ガス機器の内側をのぞいてみよう
2006-04-01
先月は、容器の内側をのぞいてみました。
 
今月は、アセチレン酸素バーナーや圧力調整器の内側を見てみようと思います。
1.アセチレン切断用バーナー
 
アセチレンは酸素と燃焼させることにより、3300℃という高温を得ることが出来ます。
 
この温度はほかのプロパンやブタンなどでは容易に得ることの出来ない温度です。
 
このアセチレンの高い燃焼温度により鉄を効率よく切断することが出来ます。
 
では、アセチレンバーナーはどのような仕掛けで硬い鋼鉄を切断するのでしょうか。
 
「酸素-アセチレン炎」で鉄を溶かして切断すると思っている人が多いのですが、これは誤解です。
 
以下にどのようにして鋼材を切断するのか説明します。
 
写真1はバーナーの全体図です。
 
図1は酸素とアセチレンがどのようにバーナーの中を流れるのかを示します。(図1をクリックすると拡大ページが表示されます。)
 
図1をみると、アセチレンと酸素が混合されて流れるルートと、酸素だけ流れるルートに分かれているのが判ります。
 
鋼材を切断する時は、まずアセチレンと酸素の混合ガスを燃焼させて、切断しようとする鋼鉄を予熱します。
 
図1の酸素とアセチレンの混合ガスの流れる茶色のルートです。
 
茶色ルートの混合ガスを燃焼させて、対象となる鉄を加熱します(業界では予熱といいます)。
 
鉄の発火温度900℃くらいまで十分予熱が出来たころ、酸素切断バルブを一気に開いて、バーナーの酸素専用のルート(図1の青のルート)に高圧酸素を流します。
 
これにより急激な鋼材の酸化反応が起きて、赤熱された鋼は吹き飛ぶように切断が進行します。
 
写真2はバーナーのアセチレンと酸素の流路部分を切断した図です。
 
写真3は「酸素ーアセチレン炎」と「溶断用酸素」を通すノズルの切断サンプルです。
 
写真4は切断された鋼材の断面です。(写真4をクリックすると拡大ページが表示されます。)
 
 
 
2.圧力調整器(LGC)
 
酸素もアセチレンもボンベの中は高圧になっています。
 
この圧力のまま燃焼させるのは技術的にも難しく、非常に危険です。
 
酸素-アセチレンバーナーでガスを燃焼させるときには、安全な圧力まで下げて、燃焼に必要な量だけを取り出してから使う必要があります。
 
この圧力を安全に効率よく下げる道具が圧力調整器です。
 
写真5から8は圧力調整器のいろいろな商品例を示したものですが、圧力を下げる原理はどれもおなじダイヤフラム式です。
 
図2に、ダイヤフラム式の圧力調整器が、どのようにして圧力を下げているのか原理概念図を示します。
 
酸素用の圧力調整器は発火を防ぐために、油脂類など可燃物が完全に取り除かれていなくてはなりません。
 
調整器の表面には「USE NO OIL」または「禁油」などと表示されています(写真9)。
 
 
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