はこさんブログ
【道南の城】
2025-05-13
数年前、東京に住む城郭マニアの知人から
「今度、城めぐりで函館に行くので会いましょう」と連絡をもらいました。
てっきり「五稜郭を見に来るのだな」と思っていましたが、「函館周辺の4か所の城をめぐる」とのこと。
調べてみると、
確かに道南には「日本100名城」「続日本100名城」に認定されている城が全部で4か所
あることを知りました。
「日本100名城」は何となく耳にしたことがありましたが、「続日本100名城」なるものは初耳でした。
どちらも日本城郭協会が選定した名城の一覧であり、
「日本100名城」は2007年に、「続日本100名城」は2017年に定められたそうです。
(いずれも4月6日=城の日=に認定)
(いずれも4月6日=城の日=に認定)
10年周期だとすると、
再来年2027年には新たな「続々日本100名城?」が発表されるのかもしれませんね…
せっかくなので道南にある4つの城を簡単にご紹介しましょう。
【五稜郭】 日本100名城:函館市

函館山とともに街のシンボルと言える「五稜郭」は国の特別史跡で国有財産を函館市に貸与しているそうです。
五稜郭という名称はオランダの星型要塞をモデルにした城郭の総称であり、
国内には函館と長野県佐久市「龍岡城」の2つが現存されています。
函館五稜郭の正式名は「亀田役所土塁」だそうですが、
恐らく正式名称を知っている函館市民はほとんどいないと思います。
江戸幕府が箱館奉行所の拠点として建設したもので、
北方防御の強化を目的にどの方向から攻められても必ず2方向から砲撃できるようにこの形にしたそうです。
その後、勃発した戊辰戦争では
榎本武揚や土方歳三らの旧幕府軍が新政府軍と戦った最後の拠点であることが有名で、
日本の近代化への転換点になった場所でもあります。
現在は桜の季節はもとより、四季を通じての美しい風景で市民や観光客に愛される観光地となっています。
函館に旅行した人の99%は訪れているのではないかと思います。

【松前城】 日本100名城:松前町

五稜郭と同様、こちらも桜で有名なお城です。
正式名称は「福山城」というそうですが、そう呼ぶ人はほとんどいません。
函館五稜郭が完成する9年前(1855年)に江戸幕府が松前藩に命じて築城された、
北海道で唯一の天守閣を備えた城でした。
建設当初の天守閣は1949年の火事で全焼したものの、
多くの町民の声を受け1961年に復元されました。
城周辺の松前公園には250種類(約1万本)もの桜が植えられており、
様々な種類の花が約2か月間楽しめる国内屈指の桜の名所となっています。
道内では、新ひだか町二十間道路桜並木とともに「日本さくら名所100選」のひとつにも選ばれています。
但し、函館市内からは車で2時間近くかかり、
函館に来る観光客も、ここまで足を延ばす人は3%程度でしょうか?
【志苔館(しのりたて)】 続日本100名城:函館市

函館市民でも知らない人は多いようですが、
志苔館は五稜郭・松前城が築城される500年近く前の室町時代に建てられた砦です。
函館空港から海岸方向に1㎞ほどの場所にあります。
40年ほど前の発掘調査で、土塁・空堀の跡や大量の中国古銭が確認され、国の史跡に指定されています。
近くに行っても、石碑と施設説明看板の他には、何となく砦があったような地形を思わせるだけですが、
想像力が豊かな人には14世紀の北海道で生活していた人たちの姿が思い浮かぶのかもしれません。
函館市民でも行ったことがある人は2~3%くらいだと思います。
こちらも志苔館と同時期の室町時代に建てられたと言われている砦です。
同じく40年ほど前の発掘調査で、
陶磁器・金属器・漆器など本州から伝わった文化と鹿角器などのアイヌ文化の出土品が合わせて7万点ほど見つかっており、
本州人とアイヌ人が混住していたと想像されています。
北海道の中世史を研究するうえで大変貴重な遺跡として、
国の重要文化財に指定されており、史跡内には模型や映像で学べるガイダンス施設も整備されています。
上ノ国町は函館市内から車で2時間半ほどかかる場所であり、
観光客でここまで行く人は年に数人だと思われますが、
厚沢部・江差などへのドライブがてら足を延ばしてみる価値はあるかもしれません。
当社も、お城のように地域を見守り、
桜のように地域に憩いを与えられる存在となれるようこれからも頑張ってまいります。
今後も函館酸素にご期待ください。