ガス談話室
酸素を使うと燃焼がこんなに変わる(その3)効率的なスクラップ溶融
2008-08-01
スクラップ鋼は通常電気炉を用いて新しい鋼材に作り変えます。 鋼材を効率よく溶融するために、酸素が登場します。
前回、前々回ご説明した「高速燃焼」によりできる火炎を利用します。
前回、前々回ご説明した「高速燃焼」によりできる火炎を利用します。
通常は、中央の電極でスクラップ鋼を溶かしますが、流れる電流の偏りによって、溶け残りができます。 | ここで登場するのが酸素。 偏りの生じるあたりをねらって、高速燃焼火炎で加熱します。 使われているバーナーは「SCOPE-JET」。 大陽日酸の商品名です。 |
この酸素燃焼により、消費電力の節減、溶融時間の短縮、湯温上昇などが得られます。 下表は実験値の一例。湯温とは、溶融した鋼の温度のことです。
電 力 | 溶解時間 | 溶湯温度 | |
kwh/ton | min | ℃ | |
従 来 法 | 430 | 74.0 | 1580 |
SCOPE-JET法 | 400 | 70.0 | 1610 |