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ガス談話室

高圧ガスと安全2(ボンベの圧力が上がり過ぎた時は)
2006-11-01
高圧ガスは文字通り高圧のガス。
 
しかし、周囲の温度上昇などにより、規定以上に圧力が上がったりすると、容器は徐々に膨張し、ついには耐えられなくなって破裂してしまいます。
 
通常の継目なし容器の場合、最高充てん圧力の5/3倍で耐圧試験をしていますので、この圧力までは安全が保たれるように配慮されています。
 
しかし、火災による周囲温度の上昇などにより、充填されているガスによっては、爆発とか炎上という最悪の危険な状態も考えられます。
 
この状態を回避するために一定圧力以上、一定温度以上になると、容器内のガスを放出するための安全装置が容器弁又は容器に取り付けられています。
 
今月は圧力が常用圧力を超えた場合どのようにしているのかをお伝えします。
 
1.酸素、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム、炭酸ガスなどの継ぎ目なし容器
 
上の写真に示すような、継ぎ目無し容器。
 
これらは、通常は14.7MPaもしくは19.6MPaの圧力で使われています。(MPa:メガパスカルという圧力の単位)
 
直射日光や火災などで容器外壁温度が上がると、内容物であるガスは異常な圧力上昇をします。
 
このような時、容器が破裂しないために、容器弁に安全装置が取り付けられています。
 
安全装置は容器弁に取り付けられ、可溶栓(可溶合金)と破裂板が併用されています。
 
この安全装置は破壊式で噴出口から急激にガスを吹き出して、圧力を低下させ内部のガスがなくなるまで、放出を続けます。
 
酸素容器のような支燃性ガスの容器は安全装置からガスが噴出することにより、燃焼が促進されて危険な場合もありますが、容器が破裂するよりは安全という考え方に立っています。
 
なお、液化炭酸ガスの場合、温度上昇による圧力の上がり方が特に激しく、約56℃になると破裂板が破裂する圧力(19.6 MPa)に達します。
 
従って、液化炭酸ガス容器では破裂板のみが使用されます。
 
 
2.アセチレン、プロパン容器など溶接容器(継ぎ目あり容器)
 
これら可燃性ガスの溶接容器はガス種によりJIS規格で安全装置を規定しています。
 
アセチレン容器には可溶栓が用いられ、温度が上がり過ぎた場合に作動します。
 
プロパン容器にはバネが用いられ、圧力が上がり過ぎた場合に作動します。
 
作動後は規定の圧力でガス放出を止めることが出来ます。
 
3.トピックス
 
これから時代の脚光を浴びようとしている水素自動車。
 
水素自動車は、ガソリン車がガソリンタンクを積んで走るのと同様に、水素容器を積んで走るケースも考えられます。
 
この場合も可溶栓式(可溶合金)の安全装置が取り付けられることになります。
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