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ガス談話室

炭酸ガスの話
2005-02-01
  地球温暖化の元凶として目のカタキにされがちな炭酸ガス。
筆者が40年ほど前にこのビジネスに入った頃は、大気中の炭酸ガス濃度は300PPM程度でしたが、最近では370PPM程度まで上がっていて、この値は世界各地でほぼ同じ数値を示しています。
 
また、炭酸ガスの影響する機械装置の設計計算では400PPMとして扱っているところが多いようです。
 
このような急激な濃度増加に対して、環境への影響を懸念する人が多いのは当然のことでしょう。
 
しかし、炭酸ガスは炭酸同化作用で植物の生育に不可欠で、私たち人間が生きていくためにも無くてはならないものです。
ここではほんの一部ですが、炭酸ガスが生活の場で活躍している例についてご紹介しようと思います。
 
一番身近なものはビールでしょうか。

でんぷん質がアルコール発酵するときに大量の炭酸ガスが発生します。
日本酒などの場合には、この炭酸ガスを追い出してしまいますが、ビールの場合は炭酸ガスを残したまま飲用します。
そして、ビヤホールなどで出される生ビールは、ボンベの中に入った炭酸ガスを押出し用ガスとして使います。
 
炭酸ガスに少量の窒素を混ぜると、ビールの泡がよりいっそう細かくなり、ビールの泡持ちが良くなります。
弊社ではグループ会社の「日本炭酸瓦斯(がす)株式会社」の力を得てビヤホール向けの混合ガス装置も販売しています。
 
  ドライアイスも身近な存在です。
 
ケーキや冷凍食品を購入した際に、保冷剤として袋の中に入れてもらうことがありますから、よくご存知と思います。
マイナス78℃の冷たい白色の固体です。
 
この冷たさを利用して、血液、医薬品の輸送保存、生鮮野菜や果実の輸送に使用されます。
 
葬儀の際の棺の中の保冷剤は特殊な例ですが、大量に使われています。
 
ドライアイスはほかにも冷たさを必要とする実験や、ガ スクロマトグラフィー(微量成分の分離分析法)のトラップなどにも頻繁に使われています。
 
ドライアイスの作り方は簡単でガスボンベから細いノズルを通して空気中に噴射するだけで作ることが出来ます。
空気中に噴射した時は白い粉状(スノードライ)ですが、これを型にはめて圧縮すると、いわゆるドライアイスが出来上がります。
 

炭酸ガスはドライアイスとして冷たさを利用する以外にも、ガス本来の物性を利用した用途があります。
 
食品の場合は制菌作用や酸化防止を目的にビンや袋の中に食品と一緒に充填されます。
溶接はもっともポピュラーな用途です。
 
 又、温浴施設、エステティックサロン、フィットネスクラブなどで人工炭酸泉が導入され、美容や健康目的として利用されています。また、近年では各家庭でも利用できる人工炭酸泉装置が登場し、誰でもより身近に炭酸泉を利用することができるようになりました。
 
  変わったところでは、柿の渋抜きにも使用されています。
柿の産地によって有効な品種とそうでない品種があるようですが、これは今後の興味深い研究課題でしょう。
 
  もっとも特殊と思われる用途は超臨界状態を利用した微量物質の抽出で、香気成分や特殊な油などを抽出するのに使われています。
超臨界状態とは固体でも液体でも気体でもない状態のことですが、詳しくお知りになりたい方は、炭酸ガスの状態図で調べてみてください。
ネットで「炭酸ガス、超臨界」などで検索をかけると詳細がわかります。
函館酸素株式会社
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