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ガス談話室

ガスの三態
2005-11-01
私たち工業ガス業者が高圧ガスを販売する場合、商品のほとんどが液体か気体のかたちです。
酸素、窒素、アルゴンなどは液体の場合は極低温なので、魔法瓶のような断熱された容器で運搬、貯蔵されます。
気体の場合は鋼またはFRP製の高圧ボンベに充填されて、運搬、貯蔵されます。
しかし、炭酸ガスだけは液体、気体のほかに、固体で頻繁にあつかわれます。
この固体はケーキ保存や冷凍食品の保存で、皆さんよくご存知の、ドライアイスです。
余談ですが、炭酸ガスと同様に固体を利用する身近な物質に水があります。
水は液体も気体(蒸気)も固体(氷)も日常生活の中で利用されています。
物質は温度と圧力を変化させることにより気体⇔液体⇔固体の間を行き来します(相変化)。
特別な場合として、気体でも固体でも液体でもない、超臨界という状態もあります。
今月は炭酸ガスを例にとって物質の三態についてです。
炭酸ガスの相変化を直接目で見ようということで、大阪府高圧ガス安全協会(注1)が興味深い実験をしました。
それは高圧ガスボンベの壁面に特殊なのぞき穴を作り、圧力変化により中の炭酸ガスがどのようになるかを観察するというものです。
ボンベに入っている炭酸ガスは常温では液体となっています。
液体であることを示した写真です。

このボンベのバルブを開いて圧力を下げていくと温度が下がり、液体の炭酸ガスをさらに冷やしていくと、マイナス56.6℃、0.518MPaで固体(ドライアイス)になります。
この点では気体、液体、固体が同時に存在します。
これを三重点といいます(写真)。

とくべつな仕掛けをすると気体と一緒に固体を取り出すことが出来ます(写真C)。
炭酸ガスの物理的性質の傾向として、圧力を上げていくと気体が液体になり、温度を下げていくと固体になります。
しかし、温度が31.1℃を超えると、いくら加圧しても液体にはなりません。
この温度を臨界温度(臨界点:写真)といいます。

つまり、31.1℃以下で圧力を加えると、液体の炭酸ガスができるということです。
このときの圧力は7.382MPaで臨界圧力といいます。
もう少しわかりやすくするために、炭酸ガスの状態図(P-T線図)(注2)を以下に示します。

図中赤線部分のA点付近(常温)より、徐々に圧力を下げていくと温度と圧力が下がり、B点(三重点)へ到達し固体化します。
また、逆に圧力を上げてゆくと、赤線に沿って固体から液体、そして超臨界状態へ変移します。
 
注1:(社)大阪府高圧ガス安全協会
http://www.daiankyo.or.jp/
 
注2:液化炭酸ガス取扱テキスト 炭酸ガス工業会

オリジナルビデオは、「(社)大阪府高圧ガス安全協会」様が販売しておりますので、鮮明な画像でご覧になりたい方は、そちらの方もご利用下さい。
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