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ガス談話室

高圧ガス容器の中をのぞいてみよう
2006-03-01
 低温液体容器、アセチレン容器、高圧酸素容器など、その内側はどのようになっているのでしょうか。
 
低温液化ガスは常温に戻ると数百倍の容積になりますので、扱い方によっては非常に危険な物質です。
 
ここでは、その危険なガスがどのような容器にいられて使用されているのか、容器の外側を取り除いたり、半分に切断したりして、内側を見てみようと思います。
 
 
1.コールドエバポレーター
(一般にはCEと呼ばれる)
液化酸素、液化窒素、液化アルゴン、液化天然ガスなどの超低温液化ガスを貯蔵する容器です。
 
これらはマイナス200℃近い液体ですから、貯蔵には魔法瓶構造をした容器を使用します。
 
この容器をCEと呼んでいます。
 
構造を図1に示します。
 
これら内容物を使用消費するときは、液の状態でも、ガスの状態でも、使用者が自由に取り出すことが出来るような構造に作られています。
 
つまり、CEの上部配管から取り出すとガスが、下から取り出すと液が取れることになります。
 
外観は写真1のとおりです。
 
展示用サンプルですが、外槽を取り除いたところをお目にかけます(写真2)。
 
外槽と内槽の中間にはパーライトという断熱材を入れて真空にする断熱法が一般的です。
 
これを「粉末真空断熱」と呼んでいます。
 
さらに高度な断熱を必要とする場合は、プラスチックの薄膜にアルミを蒸着したフィルムを何層も巻き付ける方法もとられています。
 
これはスーパーインシュレーションと呼ばれ、高価ですが、内容物の蒸発を低く抑えることが出来ます。
 
また、断熱層を薄く出来るので、容器全体の大きさを小さくすることが出来ます。
 
 
2.可搬式低温貯槽(LGC)
CEは動かすことは出来ませんが、LGCは超低温液化ガスを効率よく運搬し、使用するための小型容器です。
 
外観を示します。実際に切断してみたのが写真です。
 
全体的にはトラックの搬送を意識して丈夫に作られていますが、内装は首の部分だけで支持されていますので、運搬中など丁寧に扱わなければならないことがわかります。
 
もちろん横積みは厳禁です。
 
 
3.継ぎ目なし容器
 
酸素、窒素、アルゴン、水素、ヘリウムなど一般的な高圧ガスはこのタイプの容器を使います。
 
14.7MPa(メガパスカル)の圧力に耐えるために厚い鋼鉄で出来ています。
 
写真が内部の状態を示しています。写真で、内側に光沢があるのは、特別な用途向けに、特殊な研磨をしているためです。通常用途ではもう少し輝度は低くなります。
 
 
4.アセチレン容器
 
アセチレンは非常に不安定なガスです。
 
ボンベの中で圧縮するとわずかなエネルギーでも爆発する危険性があります。
 
また、酸素が無くても圧縮すると自己分解する危険なガスです。
 
ですから、容器もその特性を踏まえて工夫されています。
 
写真6はアセチレン容器の断面で、一般容器のように中空ではありません。
 
容器の中は多孔質物質が詰まっていて、これにアセトンまたはDMF(ジメチルフォルムアミド)を含浸させたあと、アセチレンガスを溶解充填します。
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