ガス談話室
「素朴な疑問に答えます」「どうやってガスを容器に詰めるの? 酸素編」
2007-05-01
高い圧力のガスを容器の中に詰め込む(充填)のは、そうやさしいことではありません。 まず、ガスを容れる容器は、高い圧力に耐えられる強さが必要です。 また、充填されたガスは所定の圧力、純度以上でなければなりません。 使用に際しては、安全で使いやすくないといけません。 充填工場ではこれらのことを配慮しながら、作業をしています。
1.受入検査
お客様から帰ってきた容器は、ガスを詰めてよいかどうか検査をします。
工業用と医療用では若干の違いはありますが基本的に大きな差はありません。
まず、ガスが正常に使用されていたかどうかを検査します。 臭気検査、外観検査、そして音響検査です。 また、ほとんど同時進行なのですが、充填すべきガス名、前回の容器検査日の確認などを行います。これらの検査に合格すると、次の充填工程にまわされます。
お客様から帰ってきた容器は、ガスを詰めてよいかどうか検査をします。
工業用と医療用では若干の違いはありますが基本的に大きな差はありません。
まず、ガスが正常に使用されていたかどうかを検査します。 臭気検査、外観検査、そして音響検査です。 また、ほとんど同時進行なのですが、充填すべきガス名、前回の容器検査日の確認などを行います。これらの検査に合格すると、次の充填工程にまわされます。
2.充填
充填は容器を充填架台に取り付けるところから始まります。 酸素の充填には特別な液酸ポンプが使われます。マイナス183℃の液体をそのまま蒸発させて充填します。
充填は容器を充填架台に取り付けるところから始まります。 酸素の充填には特別な液酸ポンプが使われます。マイナス183℃の液体をそのまま蒸発させて充填します。
ガスは圧縮されると温度が上がります。この現象を利用してガスが正常に充填されているかどうかを計測します。
温度計貼付け | 磁石付の温度計を容器の壁面に置きます |
温度計測 | 磁石以外にも放射温度計で壁面温度をチェックします。最近はこの方式が多くとられています。 |
気密試験 | ガスの圧力が上昇するにつれて、容器とバルブのつなぎ目などからモレが出ることがあります。発泡液をかけて検査します。 |
バーコード読取 | 容器の刻印の内容をバーコード表示してあります。それを光学的に読み取ります。 |
充填圧力は通常、ガス温度35℃で14.7Mpa(メガパスカル)です。 壁温を計りながら、充填圧力を計算して決めます。 圧力上昇により、容器の壁温は夏は40度付近、冬は数℃になります。
3.検査
充填が終わると検査です。産業用と医療用で検査の項目が異なります。
充填が終わると検査です。産業用と医療用で検査の項目が異なります。
圧力検査 | 所定の圧力が充填されているかどうかを検査します。 |
弁シート漏れ検査 | 容器弁の決められた箇所に漏れがないかどうか、発泡検査をします。 |
PLラベル貼付 | 正しく使っていただくために、PLラベルを貼ります。工業用と医療用とがあります。 |
臭気検査 | 充填されたガスの臭気検査をします。人間の感応検査です。これは工業用も医療用も等しく行われます。 |
酸素濃度検査 | ヘンペル式と呼ばれる方法で酸素濃度が検査されます。99.5%以上を合格とします。 |
窒素濃度検査(医療) | 酸素中の窒素濃度を測定します。0.5%以下で合格。 |
水分量検査(医療) | 水分計を用いて露点の検査をします。マイナス50℃以下で合格です。 |
局方酸素比色試験(医療) | 酸およびアルカリ、二酸化炭素、酸化性物質、塩化物などを検査します。これらのすべてが検出されないことが必要です。 |
荷姿検査 | 充填ラベルが貼られているか、容器弁を防護するためのキャップが正しく着いているかなどを検査します。 |
このような工程を経てお客様のもとに配送されます。
酸素の容器は使い方を誤ると危険です。 強い衝撃を与えたり、直射日光などで容器壁の温度が40℃を超えたりしないよう、正しくお使い下さい。