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ガス談話室

混合ガスの話(医療の現場で)
2005-09-01
今回は混合ガスの話です。
私たちの生活の中で混合ガスが登場することはほとんどありませんが、いつも何気なく吸っている空気は、身近な混合ガスです。
 
空気中の多い順に、
①窒素(N ②酸素(O ③アルゴン(Ar) ④二酸化炭素(CO
⑤ネオン(Ne) ⑥ヘリウム(He) ⑦メタン(CH ⑧クリプトン(Kr)
⑨水素(H ⑩亜酸化窒素(N2O) ⑪一酸化炭素(CO) ⑫キセノン(Xe)
⑬オゾン(O ⑭二酸化窒素(NO ⑮アンモニア(NH ⑯二酸化硫黄(SO
 
・・・・・・などとなります。
 
以下は医療で使われる混合ガスのご紹介です。
 
 
1.合成空気
 
通常、空気中には、かび、細菌、ウイルスなど微生物や、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物など微量の化学物質が含まれています。
抵抗力の低くなった人体に対して、呼吸する空気が感染源や症状悪化の原因となることもあります。
合成空気はこれらの感染や増悪から患者さんを守るために考え出されたものです。
酸素と窒素は精留搭を使って純物質に近い形で製造され、これを空気と同じ組成に混合したものが合成空気です。
混合は混合機を使用しておこなわれ、空気組成は厳しくコントロールされます。
感染を極端に嫌うICU、手術室などで使われています。
写真は合成空気を作り出すための酸素と窒素の大型容器です。
 
2.亜酸化窒素(笑気ガス)/酸素
最もポピュラーな麻酔ガスです。
沈静効果があるためほかの麻酔剤と併用して古くより使われています。
歯科でも患者さんの鎮静効果を目的に、低濃度の笑気ガスを使用しているところがあります。
かならず酸素との混合ガスとして使用されます。
 
亜酸化窒素は2016.2に「指定薬物」となりました。
 
 
3.炭酸ガス/酸素、窒素
呼吸における炭酸ガスの役割は意外と知られていません。
炭酸ガスが呼吸するガスの中に含まれていないと、我々は呼吸することが出来なくなります。
かつて高名な女性の水泳選手がプールの中で失神状態になったことがありました。
これは肺の中で、過度に空気の入れ替えをやりすぎたために、呼気中の炭酸ガス濃度が低下して、呼吸中枢を刺激するに十分な量がなくなってしまったことによるものです。
深呼吸を激しく繰り返すことにより同様の症状がおきることがあります。
医学的には過呼吸症候群と呼ばれるものです。
スポーツなどで過呼吸になった場合は、本人の呼気をポリ袋などに取って再びすわせることでかなり回復が見られます。
 
4.キセノン(ゼノン)/酸素
これは特殊な使い方です。
キセノン(ゼノン)は空気中に微量に存在するいわゆる希ガスですが、麻酔性があることが古くから知られています。
テスト的には使用がおこなわれており、麻酔源を取り去ることにより、短時間で覚醒が起きるので、理想の麻酔材といえます。
高価であることからなかなか普及しませんが、面白い存在です。
また、別の用途ですが、脳内の血流測定用にも使われます。
キセノンCT脳血流検査と呼ばれるものです。これにより、脳梗塞、アルツハイマー型痴呆症など脳血管の状況がわかります。
医療現場で使われる混合ガスはほかにも分析機器校正用、滅菌用、MRI、レーザー、細菌培養など幅広い用途があります。
函館酸素株式会社
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