ガス談話室
高圧ガスと安全1「高圧ガス容器の耐圧試験」
2006-10-01
高圧ガスは文字通り高圧に圧縮されたガス。
街の鉄工屋さんで見かける頑丈そうにみえる高圧ガス容器。
その中にはエネルギーの固まりである高圧ガスが詰まっています。
一見頑丈そうに見える金属製の高圧ガス容器ですが、乱暴に扱ったり、高温に曝したり、表面を腐食させたり等々、扱い方を誤ると、破裂など危険なことになります。
ですから、日常の高圧ガスの充填においても、事前に高圧ガス容器に異常が無いか外観の確認をしてから作業に取り掛かることになっています。
そんなわけですから、高圧ガス容器は使用上の安全を確保するために、「高圧ガス保安法」によって厳しく規制を受けています。
今月は高圧ガス容器を安全に使うために、定期的に行うことが義務付けられている「耐圧試験」のご紹介です。
一般の高圧ガス容器は、種類もしくは製造年によって異なりますが、一定の年数(一般継目なし容器の場合、3年または5年に1回)が経過したら、次に高圧ガスを充填する前に登録された容器検査所で、耐圧試験を受けなければいけません。
以下最も広く使われている、充填容量7立方メートルの鋼製容器の耐圧試験を例に説明します。
1.刻印表示
これは高圧ガス容器の顔のようなもので、この容器がどのようなものかが表示されています。
もちろん、耐圧試験の結果もその都度、表示されています。
これは高圧ガス容器の顔のようなもので、この容器がどのようなものかが表示されています。
もちろん、耐圧試験の結果もその都度、表示されています。
2.主な工程
この試験の基本的な考え方は、鋼で出来た容器の壁が、どのくらいバネ性が残っているかを測定して判定するところにあります。
この試験の基本的な考え方は、鋼で出来た容器の壁が、どのくらいバネ性が残っているかを測定して判定するところにあります。
教科書に載っているバネの弾性変形(ヒステリシス)の測定と同じ考えかたです。
工程の概要は図1の通りです。
この中から主なものを選んでご説明します。
(1)耐圧試験
この工程がこの試験の最も重要な部分です。
この工程がこの試験の最も重要な部分です。
法律で定められた方法は二通りですが、基本的な考え方は、所定の圧力を掛けた時の膨脹量と圧力を除いた時の残留膨脹量の割合で判定します。
この比は恒久増加率と呼ばれ、7立方メートル容器では10%を超えると不合格となります。
写真は容器に水を満たし、加圧、膨脹量測定から水廃棄、蒸気乾燥するところまでです。
(2)外観試験、内部検査、付属品検査
耐圧試験以外にも重要な検査項目があります。
耐圧試験以外にも重要な検査項目があります。
容器の外部や内部に、基準以上のキズ、へこみ、さび、亀裂があると不合格です。
もちろん、上記以外にも、ねじ山損傷、高温にさらされていないかなども検査されます。
さらに、容器バルブの気密試験も並行して行われます。
(3)外観整備
耐圧試験に合格したものは、塗装剥離機、塗装を経て、充填されるガス名が表示されます。
耐圧試験に合格したものは、塗装剥離機、塗装を経て、充填されるガス名が表示されます。
3.検査後の処理
不合格品は所有者に確認後、切断等により再充填ができないようにして廃却されます。
不合格品は所有者に確認後、切断等により再充填ができないようにして廃却されます。
合格品は容器検査成績書とともに容器の持ち主に送られます。