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ガス談話室

「素朴な疑問に答えます」「どうやってガスを容器に詰めるの? アルゴン編」
2007-06-01
 
先月の酸素に続いて、アルゴンです。 アルゴンは空気中に0.93%しかない貴重な気体です。 アルゴンは不活性ガスですから、古くは電球や真空管の中に封入して、フィラメントが焼ききれるのを防ぐ目的で使われていました。 同様の目的で、蛍光灯や水銀灯にも封入されています。 ほかにも、反応を抑える目的で、半導体製造、アーク溶接、金属の精錬など広い分野で使われています。
変わったところでは、熱伝導率が空気に比べて3分の2程度であることに注目して、断熱用としても使われます。 ダイビングのドライスーツの中に封入したり、寒冷地の二重窓ガラスの間隙部に封入するのはその例です。
 
充填手順の概略は以下のとおりです。 。
 
1.受入検査
外観検査、刻印検査、音響検査、臭気検査など、基本的には酸素と同じです。 しかし、反応を抑える目的がほとんどですから、不純物の混入には神経を使います。 とくに水分が入り込まないように注意します。 受け入れ検査で、残圧の低いものはガスを放出して加熱真空引きを行います。 これらの検査に合格すると、次の充填工程にまわされます。
 
2.充填
充填に使われる液体アルゴンは大きな金属魔法ビン(コールドエバポレーター、通称CE)に貯蔵されています。 この液体アルゴンをポンプで加圧して、蒸発器で蒸発させてボンベに充填します。 ガスが正しく充填されているかどうかは、酸素と同じです。
温度計貼付け 磁石付の温度計を容器の壁面に置きます
温度計測 磁石以外にも放射温度計で壁面温度をチェックします。最近はこの方式が多くとられています。
気密試験 ガスの圧力が上昇するにつれて、容器とバルブのつなぎ目などからモレが出ることがあります。発泡液をかけて検査します。
バーコード読取 容器の刻印の内容をバーコード表示してあります。それを光学的に読み取ります。
 
充填圧力は通常、ガス温度35℃で14.7Mpa(メガパスカル)です。 壁温を計りながら、充填圧力を計算して決めます。 圧力上昇により、容器の壁温は夏は40度付近、冬は数℃になります。
 
3.検査
充填が終わると検査です。
 
圧力検査
所定の圧力が充填されているかどうかを検査します。
弁シート漏れ検査 容器弁の決められた箇所に漏れがないかどうか、発泡検査をします。
PLラベル貼付 正しく使っていただくために、PLラベルを貼ります。
臭気検査 充填されたガスの臭気検査をします。人間の感応検査です。
純度検査 定められた検査機器を用いて、アルゴン中の酸素濃度、水分量を測定します。 純度はJIS規格をベースに社内規格により規定されています。 とくべつの指定がない場合のアルゴン純度は99.996%以上と規定しています。
荷姿検査 充填ラベルが貼られているか、容器弁を防護するためのキャップが正しく着いているかなどを検査します。
 
このような工程を経てお客様のもとに配送されます。
 
4.その他
 
以下はほかにも例があるとは思いますが、当社の工夫による安全策、コスト低減策です。
 
①逆止解除アダプター
当社の場合、ボンベ中のアルゴンガスの全放出を防ぐために、0.3Mpaを目安にバルブに工夫をしています。 充填する場合はこの逆止弁効果を解除してやる必要があります。 これはその治具(ジグ)です。
②アルゴン回収圧縮機
低温液体のアルゴンは時間の経過とともに進入熱により蒸発が始まります。 この蒸発余剰ガスは圧縮機で回収して、定置式ボンベに充填します。
函館酸素株式会社
0138-42-2411
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〒040-0076
北海道函館市浅野町1番3号
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